2012年12月14日金曜日

スタジオジブリ、2013年夏の新作映画二作を発表

12月13日木曜日、東京・日比谷の東宝社内にて行われた、東宝恒例の2013年度ラインナップ発表会。スタジオジブリの鈴木敏夫・西村義明 両プロデューサーが会見を行い、ようやく次回作を明らかにした。
同時に、それぞれの公式ウェブサイトも公開された。記録では、16時過ぎに更新されている。一枚絵にコピー、下部に簡易なクレジットのレイアウトはほぼ共通。それ以外のコンテンツは今のところない。
タイトルロゴについては、長年、鈴木敏夫プロデューサーの専権事項のようになっていたが、今回も同様であろう。『かぐや姫の物語』は、手書きとフォント風手書きを組み合わせている。『風立ちぬ』では、宮崎駿が原作漫画で描いていたロゴを、アレンジしたような、こちらも手書きフォント風に仕上げている。
ジブリ社内で、タイトルロゴ決定戦を毎作品行うそうだが、おそらく鈴木氏の独壇場だったに違いない。

会見の詳細については、ねとらぼ http://nlab.itmedia.co.jp/nl/articles/1212/13/news096.html テレビドガッチ http://dogatch.jp/news/ntv/12807 に詳しい。
まず、『かぐや姫の物語』はプレスコで収録済みで、『風立ちぬ』は通常通りアフレコで、未収録である、とのこと。声優担当者については様々な憶測があったが、高畑作品については予想がある程度できそうである。
高畑勲曰く、「もしかしたらこれは、僕の最高傑作になる」。
年齢や、とりまく情況からみて、二人とも、最後の長編になるかもしれないと思った。

『かぐや姫の物語』
http://kaguyahime-monogatari.jp/
2013年<夏>全国ロードショー
キャッチコピー 「姫の犯した罪と罰。」
【原作】「竹取物語」
【製作】氏家齊一郎 
【原案・脚本・監督】高畑勲
【脚本】坂口理子
【音楽】池辺晋一郎
(C)2013 畑事務所・GNDHDDTK


『風立ちぬ』
http://kazetachinu.jp/
2013年<夏>全国ロードショー
キャッチコピー 「いざ 生きめやも。」 『堀越二郎と堀辰雄に敬意を表して。』

【原作・脚本・監督】宮﨑駿
【音楽】久石譲
(C)2013 二馬力・GNDHDDTK

2012年11月7日水曜日

宮﨑駿、文化功労者に選定。

文化の日には今年度の文化勲章親授式があり、休日をはさんで5日は文化功労者顕彰式であった。
宮﨑駿の書面でのコメントは次の通り(日テレNEWS24、nikkansports.com等より)。
「アニメーションも映画です。映画は常に文化を破壊し、損ねる可能性を持っています。いつも危うい道のりに立っていると自戒し、浮かれないことにします」

さて当日、様々な期待をよそに、宮﨑駿は「仕事の都合」で式を欠席。松本幸四郎も同じく欠席した。
同日午後、恒例となっている、天皇、皇后両陛下が文化勲章受章者・文化功労者を招かれる茶会(とはいえフルコースの午餐)も、あわせて欠席した。
前作『崖の上のポニョ』では今の時期、絵コンテは未だ終わらず、撮影済カットも500程度しかなかった。
前作は中長編で1100カット余り。原作、題材の複雑さから推測するに、『風立ちぬ』の上映時間は2時間以上、少なくとも1200カットは超えてくるはずである。
例によって、宮﨑駿の制作スタイルである、絵コンテ・制作同時進行だとすれば、いつも通り切迫しているのではないかと考えられる。
とはいえ、前作からはや4年。『ポニョ』よりも一層、作画面での無理はきかなくなっているだろう。制作スタイルを微妙に変化させているかもしれない。
体力気力の減衰を考えると、右腕と頼む作画監督が何本もありそうである。

今日(7日)削除されたが、高畑勲の新作の作曲家が、所属団体のサイト上にその旨明記していた。
(10月27日採取のキャッシュより)


当事者の意思を尊重して言及しないが、一応、製作は順調に進んでいると考えてよいだろう。

2012年11月4日日曜日

スタジオジブリ、2013年公開の新作長編映画のドメインを取得






探偵のように勘が鋭い人のおかげで、ジブリの新作が確定した。
以前から予測されていた通り、高畑勲は竹取物語からかぐや姫の物語、宮崎駿は堀辰雄「風立ちぬ」を大胆に翻案した自作の総天然色漫画「妄想カムバック 風立ちぬ」からの風立ちぬ、である。

そこで、ジブリ長編タイトルのドメイン取得に関するあれこれを覚書。

 『千尋』と『猫の恩返し』『ギブリーズ』はきちんと映画タイトルを取得して宣伝に活用したが、その後放棄したようで、既に他者に取得されている。
『ハウル』は日テレ本体サイトにサブディレクトリを作って設置、これもその後消去。『ゲド』『ポニョ』は一転してジブリ本体サイトにサブディレクトリを作った。ここからは今も存続している。
『アリエッティ』『コクリコ坂』では、再び映画タイトルドメインになった。.comから.jpに統一して東宝が登録。
2013年公開予定の、宮崎駿・高畑勲 両監督の新作二本でも、冒頭に挙げたツイートのようにスタイルは踏襲されている。但し、登録者は東宝本体ではなく、かつてジブリ作品で宣伝プロデューサー等を務めた関係者が、専務以下軒並み役員となっている、東宝アドである。

長編劇場用映画を時系列に並べると以下のようになる。
タイトル、監督、劇場公開日、尺、配給、近作のみ公式サイトURLと登録者、の順で記載。

風の谷のナウシカ 宮崎駿 1984年3月11日 116分 東映
天空の城ラピュタ 宮崎駿 1986年8月2日  124分 東映
となりのトトロ  宮崎駿 1988年4月16日  86分 東宝 同時上映『火垂るの墓』
火垂るの墓    高畑勲 1988年4月16日  88分 東宝 同時上映『となりのトトロ』
魔女の宅急便   宮崎駿 1989年7月29日 102分 東映  
おもひでぽろぽろ 高畑勲 1991年7月20日 119分 東宝  
紅の豚      宮崎駿 1992年7月18日  93分 東宝
平成狸合戦ぽんぽこ 高畑勲 1994年7月16日 119分 東宝
耳をすませば 近藤喜文 1995年7月15日 111分 東宝 同時上映『On Your Mark』
もののけ姫 宮崎駿 1997年7月12日 133分 東宝
http://www.ghibli.jp/diary_m/mononoke.html
ホーホケキョ となりの山田くん 高畑勲 1999年7月17日 104分 松竹
http://www.ghibli.jp/diary_y/
千と千尋の神隠し 宮崎駿 2001年7月20日 125分 東宝
http://www.sentochihiro.com/
猫の恩返し 森田宏幸 2002年7月20日  75分 東宝 同時上映『ギブリーズ episode2』
http://www.nekonoongaeshi.com/
ギブリーズ episode2 百瀬義行 2002年7月20日  25分 東宝  同時上映『 猫の恩返し』
http://www.nekonoongaeshi.com/ghib/ghib.html   http://www.ghiblies.com/
ハウルの動く城 宮崎駿 2004年11月20日 119分 東宝
http://www.ntv.co.jp/howl/ 日本テレビ
ゲド戦記 宮崎吾朗 2006年7月29日 116分 東宝
http://www.ghibli.jp/ged/ スタジオジブリ
 映画「ゲド戦記」監督日誌(2005.12.13-2006.8.8)http://www.ghibli.jp/ged_02/
 映画「ゲド戦記」制作日誌(2005.12.13-2006.6.28)http://www.ghibli.jp/ged_01/
崖の上のポニョ 宮崎駿 2008年7月19日 101分 東宝
http://www.ghibli.jp/ponyo/
借りぐらしのアリエッティ 米林宏昌 2010年7月17日  94分 東宝
http://www.karigurashi.jp/index.html 東宝
コクリコ坂から 宮崎吾朗 2011年7月16日 91分 東宝
http://kokurikozaka.jp/index.html  東宝

かぐや姫の物語(想定) 高畑勲 2013年 長編 東宝
kaguyahime-monogatari.jp 東宝アド
風立ちぬ(想定) 宮崎駿 2013年 長編 東宝
kazetachinu.jp 東宝アド



2012年3月26日月曜日

The Secret World of Arrietty 『借りぐらしのアリエッティ』北米興行

2012年3月8日木曜日

The Secret World of Arrietty 『借りぐらしのアリエッティ』北米興行


2012年3月5日月曜日

『借りぐらしのアリエッティ』北米興行考

日本での興行環境に慣れ過ぎてしまって、海外、特にアメリカのジブリファン層を見誤っていたようだ。ディズニーの徹底したローカライズは、正鵠を得ていたという他にない。他国での興行と比べ、桁違いの成功である。ローカライズは、日本における『洋画』の扱いと同じであろう。


勿論、向こうのコアなファンが反発している点もよく理解できる。ポニョから本格的に始まった全米プロモートは、ディズニーの人材を使い、キャスリーン・ケネディとフランク・マーシャルという二大プロデューサーが、「スタジオジブリ作品」から「アメリカの家族向け映画」に作り変えるという、大変な労作業だったはずである。いずれにせよ、ジブリファンは字幕で楽しむことを望むだろう。


しかし、それではANIMEファンだけの伝播に留まってしまうことは明白である。広く深い歴史を持つアメリカ映画界に根付くことは、何十年かかってもいかなる傑作があっても夢物語に終わる。
移民の国である米国は、異文化の受容に寛容だとされるけれども、エンターテインメント、特に映画は例外だとはっきり言える。プロット等には、明らかに受ける定型がある。


アリエッティは、舞台を現代日本に変えたりいろいろと脚色したが、10人に満たない登場人物と箱庭的プロットで、無国籍物として通用する点があった。
何よりも、原作が国民的童話であったことが、アメリカの親たちの鑑賞動機の大きな要素である。そこに、子供や若年層に非常に強い影響力を持つディズニーTVスターを当て、そのスターそのものの跳躍台の一つとして一石二鳥を狙っている。

The Secret World of Arrietty 『借りぐらしのアリエッティ』北米興行

2012年2月23日木曜日

The Secret World of Arrietty 『借りぐらしのアリエッティ』北米公開


この4作品は日本アニメの北米歴代興収トップ4でもある。3位遊戯王が2000万ドル弱だから、『アリエッティ』は歴代3位になるのはほぼ確実と思われる。1位ポケモンは8500万、2位のポケモンは4400万ドル。十年以上前だが、圧倒的だ。 #ghibli #ArriettyTue Feb 21 22:23:02 via Twitter for iPhone


北米で公開された日本アニメのオープニング記録としても、『アリエッティ』は歴代5位に入った。PONYOは7位。上位4作品は全て2000scr以上の公開規模である。ポケモン3作と遊戯王だ。 #ghibli #ArriettyTue Feb 21 22:19:19 via Twitter for iPhone


2009年、PONYOの全米興収はオープニング927scr、公開35日間で1509万ドル。『アリエッティ』の現時点868万4864ドルには、12日間かかっている。公開規模を1.7倍に拡大した以上に興収が伸びている。飛躍的といってよいと思う。 #Arriety #ghibliTue Feb 21 21:51:11 via Twitter for iPhone


The Secret World of Arrietty『アリエッティ』北米興行。初日17日169万2721ドル、土曜18日257万3349ドル、日曜19日218万325ドル、月曜祝日20日が223万8469ドルだった。 #ghibli #ArriettyTue Feb 21 21:37:37 via Twitter for iPhone


The Secret World of Arrietty『アリエッティ』1522scrで始まった北米興行。週末興収は9位・644万6395ドル。なお、4日間計は868万4864ドルで8位と 、PONYOの4日間415万ドルの2倍超。 #ghibli #ArriettyTue Feb 21 21:36:12 via Twitter for iPhone